レパレッジ・ポイン卜

自分たちがもっている経営のリソース、経営資源(アセット)を最大限にレパレッジさせるための仕組みをつくっていく。そこにAIが活躍できる場がありそうです。自社の強み、つまりレパレッジ・ポイン卜をさらに強化する上で、いかにAIを導入するべきか一。5章で紹介した武蔵精密工業さんはクルマ用の「ギヤ」をつくっています。同社の場合、ギヤ自体にも競合優位性があって、それでビジネスが成り立っているように見えますが、私はそれ以上に、「ギヤを高い精度で製造するプロセスJにこそ、同社のレパレッジ・ポイントがあるのではないかと思っています。仮にそれを他社に横展開できれば、そこからさらにおカネを生むはずです。実際、同社では「マニュファクチャリング・プラットフォーム*50Jという方向に進んでいて、これが同社のレパレッジ・ポイントであり、AIの力を加味することで、さらに大きなレバレッジを発揮するのではないでしょうか。パルコさんも同じだと思います。自社のショッピング・センター内にテナントとして入っていただくことが、パルコさんにとってはいちばんの価値です。そこで、どういう場づくりをするか、どういう空間をつくっていくか、それをフラットフォームとして実装すれば、テナントさんの商品も売れるはずだ、という考えに行き着くでしょう。コマツさんの場合、ブルドーザーを世界一きちんと設計できるのは自分たちだ、ということをよく知っているので、そのいちばん精度の高いブルドーザーをベースに、そこにAIを載せれば自動工事が実現できるのではないか、さらにそれを横展開することでスマー卜コンス卜ラクションが実現できるのではないか。そこにレパレッジ・ポイン卜がある、と考えているのでしょう。私は、「以前はまったく違うものをつくっていました」とあっけらかんにいう会社ほど強い、と感じています。武蔵精密工業さんはその典型です。創業当初は東京の品川で飛行機のエンジン用気化器(キャプレータ)をつくっていて、戦後、愛知県豊橋市に移ってからはミシン部品業に転換し、一時期、ミシン用天秤力ムでは全国シェアの65%に達していたといいます。その後、ホンダと取引を始めることでオートパイ部品の製造に着手し、現在はギヤなどの自動車部品をつくっています。時代の波を機敏に読みながら事業の柱を次々に変え、成長していく。いま、私たちはまさに大きな時代の変革期、転換点の真っ只中にいます。そうした社会を生き抜くためにも、AIという革新的なテクノ口ジーを活用する場を見つけ、そこにチャレンジしていくことが求められているのです。

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